2010年08月14日18:43
浜松の放課後児童会の課題≫
カテゴリー │こんなコトあり?
ここ10年、働く親たちの要望を受け、放課後児童会(学童保育)は着実に増えてきている。さらに、「時間の延長」「夏休みなどの長期休暇」などが実施され、働く親たちにとって、使える放課後児童会になってきた。
しかし、浜松の放課後児童会には、多くの課題が残っている。
旧浜松市(旧舞阪、旧雄踏を含む)の放課後児童会は、市が施設をつくり、地域の育成会が運営実施をする「公設民営方式」を30年以上前から続けてきている。地域の育成会は、地元の自治会長、校長先生、PTA会長、民生委員、指導員などからなる組織で年1回から2回ほど開催している。市は、各育成会に、運営にかかる費用(消耗品、印刷代、電話代など)約20万円、補助指導員の報酬の3/4(119万円)、その他、指導員、補助指導員の傷害保険料などを補助金として支出している。
育成会が市からの補助金を受けている以上、事業の主体は、あくまでの「育成会」だ。これが、委託であるなら、市の事業ということになるのだが、旧浜松市方式では、育成会の事業に市が補助をする仕組みとなっている。
*ちなみに、浜北区、北区(旧浜松市のぞく)、天竜区は、NPO法人、社会福祉協議会、社会福祉法人に委託方式で実施している。
また、指導員は、有償ボランティア扱い。時給1240円であるが、雇用関係は生じていない。指導員の報酬は直接市が指導員に支払っている(年間158万円)育成会の運営は、ほとんど指導員の肩にかかっている。児童会の責任者として、子どもとの交流の他に、年間活動計画、会計処理、市との連絡調整をしなくてはならない。しかし、あくまで有償ボランティアだ。責任は重いが、待遇はおそまつなものだ。
設立当初は、「地域の子どもは地域が育てる」ということで、地域主体の育成会が、ボランティアをお願いし、実施するという方式でよかったことだろう。しかし、30年以上の時が過ぎ、共働きの増加、地域社会の衰退、安心安全に関しての意識の変化などで、放課後児童会への保護者や社会からの期待が大きくなってきたにも関わらず、その運営方法が見直されずにきてしまった。
もし、大きな事故が起きてしまった場合、その責任はどこが持つのだろうか?
「補助」である以上、「育成会」となってしまうのではないだろうか。昨年1年間で、38件の事故が放課後児童会で起きている。保険は、スポーツ安全保険か、浜松市学童等災害共済制度があるが、十分とはいえず、裁判になった場合、「育成会」は果たして払うことができるのだろうか?また、育成会の方々は、そうした仕組みであることをご存知だろうか?
放課後児童会は、児童福祉法に位置づけられた子育てインフラのひとつとなってきた。あいまいな責任所在の「育成会方式」を早急に見直すべきだ。直営にするか、民間委託するか。委託を考えた場合、現在の育成会をもとにNPO法人となってもらえるか、それとも民間企業も含めた委託でいいのか。また、保護者がただサービスを受益している立場でいいのか。
子どもの放課後、どうあったらいいのか、みんなで一緒に考えましょう。
しかし、浜松の放課後児童会には、多くの課題が残っている。
旧浜松市(旧舞阪、旧雄踏を含む)の放課後児童会は、市が施設をつくり、地域の育成会が運営実施をする「公設民営方式」を30年以上前から続けてきている。地域の育成会は、地元の自治会長、校長先生、PTA会長、民生委員、指導員などからなる組織で年1回から2回ほど開催している。市は、各育成会に、運営にかかる費用(消耗品、印刷代、電話代など)約20万円、補助指導員の報酬の3/4(119万円)、その他、指導員、補助指導員の傷害保険料などを補助金として支出している。
育成会が市からの補助金を受けている以上、事業の主体は、あくまでの「育成会」だ。これが、委託であるなら、市の事業ということになるのだが、旧浜松市方式では、育成会の事業に市が補助をする仕組みとなっている。
*ちなみに、浜北区、北区(旧浜松市のぞく)、天竜区は、NPO法人、社会福祉協議会、社会福祉法人に委託方式で実施している。
また、指導員は、有償ボランティア扱い。時給1240円であるが、雇用関係は生じていない。指導員の報酬は直接市が指導員に支払っている(年間158万円)育成会の運営は、ほとんど指導員の肩にかかっている。児童会の責任者として、子どもとの交流の他に、年間活動計画、会計処理、市との連絡調整をしなくてはならない。しかし、あくまで有償ボランティアだ。責任は重いが、待遇はおそまつなものだ。
設立当初は、「地域の子どもは地域が育てる」ということで、地域主体の育成会が、ボランティアをお願いし、実施するという方式でよかったことだろう。しかし、30年以上の時が過ぎ、共働きの増加、地域社会の衰退、安心安全に関しての意識の変化などで、放課後児童会への保護者や社会からの期待が大きくなってきたにも関わらず、その運営方法が見直されずにきてしまった。
もし、大きな事故が起きてしまった場合、その責任はどこが持つのだろうか?
「補助」である以上、「育成会」となってしまうのではないだろうか。昨年1年間で、38件の事故が放課後児童会で起きている。保険は、スポーツ安全保険か、浜松市学童等災害共済制度があるが、十分とはいえず、裁判になった場合、「育成会」は果たして払うことができるのだろうか?また、育成会の方々は、そうした仕組みであることをご存知だろうか?
放課後児童会は、児童福祉法に位置づけられた子育てインフラのひとつとなってきた。あいまいな責任所在の「育成会方式」を早急に見直すべきだ。直営にするか、民間委託するか。委託を考えた場合、現在の育成会をもとにNPO法人となってもらえるか、それとも民間企業も含めた委託でいいのか。また、保護者がただサービスを受益している立場でいいのか。
子どもの放課後、どうあったらいいのか、みんなで一緒に考えましょう。
この記事へのコメント
安心できる保険制度に入っているなら、いいのかなと
思います。共済契約をぜひブログに公開して下さい。
現在、ある地域では祖父母が地域に住んでいると
利用できない放課後児童会があるそうです。
そうすると、まずはサービス供給量の確保が先決な
気がします。また、仮に正社員化すれば、保育料も
倍、補助金も倍となってしまうような気がします。
事業仕分けが盛んな現在、望めない気がします。
委託先に関して社協や社福は賛成ですが、
NPOは、よほどしっかりしたところで無いとイヤです。
関東では、NPOや株式会社などへの、保育園の
委託民営化でトラブルがいくつかあったため、
残念ながら、どの自治体も委託先の選定に慎重です。
伊東市でも保育園の民営化で、社福以外の
NPOや民間を一次募集の対象から外したようです。
こどもを預ける私達からしても、解散や倒産で
今日からサービスが受けられないということが
一番避けて欲しいトラブルなのです。
思います。共済契約をぜひブログに公開して下さい。
現在、ある地域では祖父母が地域に住んでいると
利用できない放課後児童会があるそうです。
そうすると、まずはサービス供給量の確保が先決な
気がします。また、仮に正社員化すれば、保育料も
倍、補助金も倍となってしまうような気がします。
事業仕分けが盛んな現在、望めない気がします。
委託先に関して社協や社福は賛成ですが、
NPOは、よほどしっかりしたところで無いとイヤです。
関東では、NPOや株式会社などへの、保育園の
委託民営化でトラブルがいくつかあったため、
残念ながら、どの自治体も委託先の選定に慎重です。
伊東市でも保育園の民営化で、社福以外の
NPOや民間を一次募集の対象から外したようです。
こどもを預ける私達からしても、解散や倒産で
今日からサービスが受けられないということが
一番避けて欲しいトラブルなのです。
Posted by 頑張れ at 2010年08月19日 22:27
コメントありがとうございます。
保険は、スポーツ安全保険です。http://www.sportsanzen.org/index.html
子どもの場合、死亡は2000万円、後遺障害3000万円、入院1日4000円、通院1日1500円。
指導員、補助指導員は、死亡1000万円、後遺障害1500万円、入院1日2500円、通院1日1000円。
指導員は、多くの大切な子どもたちを預かるという大きな責任をあるにも関わらず、社会保険も入っていない「有償ボランティア」という不十分な待遇です。何年働いても賃金はあがりません。退職金もありません。もし事故が起きても、労災が入っていないため、通院は1日1000円のスポーツ保険しかありません。有償ボランティアですので、本来なら市からの指示命令を受ける義務がありません。
あってはならないけど、もし子どもが事故にあってしまい、その責任を指導員や育成会に求め、訴えられたとしたら、、、
子どもを安心して預けられるためにも、きちんとした仕組みが必要です。国も、「子ども・子育てビジョン」で、量の確保だけでなく、質の確保も求めています。
確かに浜松市の財政は、厳しいものがありますが、子どもたちの安全安心をおろそかにするのでは、何のための、誰のための「市政」かわかりません。
私は放課後児童会の質の確保も「浜松市の責任」で進めるべきだと思います。
そして、そのための方策を早急に考えて欲しいと思っています。
保険は、スポーツ安全保険です。http://www.sportsanzen.org/index.html
子どもの場合、死亡は2000万円、後遺障害3000万円、入院1日4000円、通院1日1500円。
指導員、補助指導員は、死亡1000万円、後遺障害1500万円、入院1日2500円、通院1日1000円。
指導員は、多くの大切な子どもたちを預かるという大きな責任をあるにも関わらず、社会保険も入っていない「有償ボランティア」という不十分な待遇です。何年働いても賃金はあがりません。退職金もありません。もし事故が起きても、労災が入っていないため、通院は1日1000円のスポーツ保険しかありません。有償ボランティアですので、本来なら市からの指示命令を受ける義務がありません。
あってはならないけど、もし子どもが事故にあってしまい、その責任を指導員や育成会に求め、訴えられたとしたら、、、
子どもを安心して預けられるためにも、きちんとした仕組みが必要です。国も、「子ども・子育てビジョン」で、量の確保だけでなく、質の確保も求めています。
確かに浜松市の財政は、厳しいものがありますが、子どもたちの安全安心をおろそかにするのでは、何のための、誰のための「市政」かわかりません。
私は放課後児童会の質の確保も「浜松市の責任」で進めるべきだと思います。
そして、そのための方策を早急に考えて欲しいと思っています。
Posted by megu at 2010年08月20日 00:06